情報探索および戦闘のチュートリアルとして設計したタイマンシナリオです。
このシナリオの内容は、シナリオを完了するまでプレイヤーには秘匿して遊ぶことを想定しています。カジュアルプレイで細かいことを気にしない場合や、PLの知識とPCの知識を分けて考えられる場合は、シナリオの内容を秘匿しなくても遊ぶことはできます。
PC1 ワークス/カヴァー UGNチルドレン/高校生
UGNチルドレンではあるが、特別に一般の高校に進学している。ロイスの事前の設定は不要。(オープニングフェイズ時にロイス候補を提案する。GMは、シナリオを開始する前にロイス候補のキャラクターについてプレイヤーに説明してもよい。)
GMPC ワークス/カヴァー 格闘家/任意
UGNでのコードネームは「レッド・ブル」。肉体・白兵中心のシンドロームやスキルを組み、感覚や精神は低めに抑えること。特に、「行動力10m未満」もしくは「<知覚>Lv.なし、かつ感覚2以下」のどちらかまたは両方を満たすことを推奨。 パーソナルデータの例:出自: 権力者、覚醒: 感染、衝動: 嗜虐
些末なシーンや他のシーンのおまけ的なシーンに関しては、登場しても侵蝕率があがらない設定をつけていますが、ミドルフェイズ戦闘がないため、これらのシーンで侵蝕率があがる設定にしても、バランス上あまり問題はありません。
UGNの建物にあるブリーフィングルームにPC1が呼び出されるシーン。UGNの本部は、UGNチルドレンであるPC1にエージェントとしての本格的な活動を始めてほしいようだ。
シーン登場時、1d10増加
UGN本部 鰓井蔵「君に頼みたい任務がある。オーヴァードである「レッド・ブル」に接触して、こちら側に引き込むんだ。彼は裏社会に精通していて、フォルスハートも彼に興味を持っている。もし敵に回れば厄介だが、仲間になってくれれば強力な助っ人になるだろう。」「我々が直接コンタクトをとると、ターゲットに警戒される恐れがある。高校生のお前なら、われわれの組織にうまく引き込めるのではないかとおもうのだ。」
鰓井蔵により、7+1d10の財産ポイントが成功報酬として提示される。 交渉の対決ロールに勝利した場合、さらに1d10の財産ポイントが追加される。
鰓井蔵のパラメータ 交渉Lv.5, 社会8, 頼み事補正-3
また、組織はUGNチルドレンであるPC1の将来に「期待」している。UGNチルドレンの間では、ミッションを達成することで、組織からのさまざまな「便宜」が図られることが期待できる…といわれている。
鰓井蔵からPC1に対して渡される、UGNのエージェント募集に関する資料。UGN職員の福利厚生など待遇面が主に記載されている。
シナリオロイスであるUGN事務員の顔見せイベント。
このシーンに登場しても、侵蝕率は増加しない。
UGNのブリーフィングルームから出て、無料で飲み物が飲める休憩室に向かう途中、昔から顔なじみの事務員、桜島祐介とすれ違う。
UGN事務員 桜島祐介「PC1も目つきが鋭くなったね。もうお前は一人前のエージェントだよ、本当だ。期待しているよ。」
(この事務員は、UGNチルドレンとして保護された時以来世話をしてくれた人だとPLに紹介し、適当なロールプレイを促す。)桜島祐介「最初の任務だからそんなに難しいものではないはずだ。肩の力をぬいて取り組めばいい。」
プレイヤーに対し、桜島祐介をPC1のロイスとして加え、肯定的な感情を設定するように推奨する。(強制ではない。)
礼弦寧は、シナリオロイスである同級生「礼弦寧」の顔見せイベント。
このシーンに登場しても、侵蝕率は増加しない。
次の日、UGNチルドレンの宿舎から高校に登校した。休み時間に同級生である礼弦寧が話しかけてきた。 「PC1くん、なんか今日はすごく落ち着かないね?何かいいことあったの?」 (適当なロールプレイを促す。) (UGNのミッションを受けた事実を、PC1が礼弦寧に伝えるかどうかをプレイヤーに決定させる。必要であれば、これは単なるフレーバー要素であり、どちらに決定しても構わないことをプレイヤーに伝える。)
プレイヤーに対し、礼弦寧をPC1のロイスとして加え、肯定的な感情を設定するように推奨する。(強制ではない。)
ターゲットに関する情報をどこで収集したらよいかについて、PC1が考えるシーン。
このシーンに登場しても、侵蝕率は増加しない。
PC1は急に裏社会の人物であるターゲットについて調べる必要が生じ、困惑している描写を行う。GMもしくはPLは、適当なロールプレイによりPC1のセリフを即興で言い、困惑を表現する。GM(もしくはPL)は、PC1がとりあえず裏社会の情報が集まりやすそうな場所がどこかについての情報を集めるという考えに至ったと描写する。
〈情報:裏社会〉×2 または 〈情報:噂話〉
ターゲットがオーヴァード格闘技に参加したところを目撃したと思われる若者が会話をしているのに遭遇し、情報を収集する。
シーン登場時、1d10増加
目的の店には、未成年者は入れそうにないが、出入口近くでは不良が座り込んでいる。この不良は、どうやらターゲットについての噂話をしているらしい。少し離れたところから聞き耳をたてて、彼らの話を聞こう。
シーン2-4へ移動する。
オーヴァード格闘技の関係者に接触し、情報を収集する。
シーン登場時、1d10増加
格闘技の会場と思われる場所のすぐ近くには、古びた喫茶店がある。敷地が同じなので、おそらく関係者が運営しているのだろう。いかにも入りがたい怖い雰囲気を醸し出しているが、ここの店主と世間話の体で、情報を聞き出そう。
シーン2-4へ移動する。
PC1が持って帰った情報をもとに、ターゲットへの説得戦略を決定する。また、十分に情報がある場合、戦闘に関するアドバイスがUGNエージェントから伝えられる。
このシーンに登場しても、侵蝕率は増加しない。
UGNのブリーフィングルームに再び召集される。
ミッションターゲットである、「レッド・ブル」に接触する。
シーン登場時、1d10増加
勝負を提案した場合、クライマックスフェイズへ移動する。
勝負を提案せず、帰らされた場合は、このフェイズを繰り返し行う。(行うごとに登場時浸蝕率の上昇が行われる。)3回来訪した場合、闘技場でのバトルを行うので、負けたら諦めて二度と来ないでほしいと伝えられる。この場合、場所の変更の提案は不可である。
いきなり殴りかかり逃走した場合、再度訪れると即座に闘技場でのバトルが発生する。プレイヤーがシナリオの続行に恐怖を感じ、再度ターゲットのアジトを訪れることを拒否する場合、ミッションを達成することが立場上必要であることを繰り返し述べる。
ミッションターゲットである、「レッド・ブル」と勝負を行う。
シーン登場時、1d10増加
指定された日時に指定された場所に行くと、なぜか事務員の桜島(シーン1-3で同級生に今回のミッションを伝えなかった場合)または同級生の礼弦(シーン1-3で同級生に今回のミッションを伝えた場合)がいて、レッド・ブルにつかまっている。 「くっ!これはお前の仲間か?くだらねー悪だくみしているみたいだったから捕まえておいた」といって、蹴っ飛ばす。
プレイヤーは、事務員または同級生を助けるかどうかを問われる。助けようとすると、悪だくみをしたのではなく、単に心配だから隠れて見守ろうとしたところ、潜入したのがばれただけであるという。
助ける選択肢をとった場合、エンゲージした状態から戦闘が開始され、放置する選択肢をとった場合、10m離れた状態から戦闘が開始される。
初めは能力をあまり使わずに戦おうとするが、ダメージを受けることによりエフェクトを使い全力で戦うようになる。廃工場での天井崩落イベントに巻き込まれた場合や、地下鉄で不意打ちを受けて戦闘不能状態に陥った場合、ショックを受け衝動判定が行われる。暴走状態になると、リアクションを行えない他、メジャーアクションを利用して事務員または同級生を攻撃し始めるとしてもよい。
リザレクトも躊躇なく連発するが、侵蝕率が100%に近づくとジャーム化の恐怖を感じ、暴走状態ではない場合、能力の発動に躊躇し始める様子も見せる。
錆びた鉄骨 HP10 装甲3 破壊すると天井が崩落する。鉄骨のHPが0になったラウンドのクリンナッププロセスにて天井崩落イベントが発生する。注意が逸らされたことによるディスエンゲージが発生する。各プレイヤーがマイナーアクションのみを取ることができるラウンドが発生する。このラウンド終了時に半径10mの外側に出ることができなかった場合、5d10/2のダメージ(装甲貫通力5、回避不可)。また、崩落後はガレキを武器として用いることができる。
錆びた鉄骨は10m間隔で設置されており、他の鉄骨を破壊することで同じイベントを繰り返し発動できる。
かなり暗いため、マイナーアクションで隠密状態に移動することができる。
対面式ホームをもつ二面二線の駅。ホームとホームの間は8m離れている。ホームの長さは50m。ホーム上から線路上への攻撃にはボーナスダイス+1が加算される。一方で、線路上での隠密状態の維持に関する判定では、ボーナスダイス+1が加算される。線路上からホーム上へと移動するアクションは、移動距離が-5mされる。
10m四方のロープに囲まれた闘技場のリング。闘技場の観客席には、裏社会の野次馬とおぼしき人々が詰めかけている。3ラウンド終了後に、囲むロープが高圧電流の流れる有刺鉄線に変化し、炎がリングに噴き出し、毎ラウンド5d10/2のダメージ(装甲貫通力10、ガード無効、回避不可)。ロープに接触した場合、5d10/2のダメージ(装甲貫通力10、ガード無効、回避不可)。さらに、クリンナッププロセス時に毎回、PC1は【精神】による難易度7の衝動判定を行い、失敗した場合は次のラウンド中だけ持続するバッドステータス「重圧」が発生する。
このシーンに登場しても、侵蝕率は増加しない。
PC1の勝利: 10点
PC1の敗北 (レッド・ブルにリザレクトを2回以上行わせる): 5点
PC1の敗北 (それ以外): 2点
バトルせずに任務放棄: 0点
情報収集フェーズでプレイヤーの主体性を尊重できたか
ダブルクロスの世界観を表現できたか
プレイヤーは自身の戦略を気持ちよく実行しようとしたか
プレイヤーは戦術の改善を思いついたか
ダイスの出目の偏りを楽しめたか