DX3rdシナリオ「新しき力の支配者」

≪DX3rd プレイ記録

このシナリオは書きかけです。

はじめに

ハウスルールによる、ヴィークル搭載武器を利用した戦闘を楽しむために設計したシナリオです。

シナリオ傾向

プレイヤーキャラクター

ワークス: UGNエージェント 成人を推奨

2人~4人。プレイヤーが一人である場合は、GMがお助けキャラを作成すること。

推奨技能:〈運転:4輪〉〈運転:船舶〉〈RC〉〈射撃〉〈交渉〉〈知覚〉

背景

UGNは、かつてはレゲネイド能力を利用した数多くの兵器を共同開発していた巨大企業アルゴリス・テクノロジーズと友好関係にあった。しかし、最近の資本関係の変化により、企業の経営陣が変わりUGNとの関係が断絶した。UGNの情報官の分析では、新しい経営陣は、テロ組織フォルスハーツ(FH)との秘密協定を結び、UGNと共同開発した高度な軍事技術を敵対勢力に秘密裏に流出させているとみられている。

プレイヤーの目的

PCたちは、UGNからの依頼を受けて、軍事技術が流用される前に企業の施設を調査し、技術の流出を阻止します。さらに、フォルスハーツが軍事技術を用いて行う侵攻計画を察知し、粉砕することが求められています。

主要キャラクターと組織

アルゴリス・テクノロジーズ (Algolith Technologies Inc., ltd.)
IT企業として創業したが、軍事支援システムの開発を通じて巨大軍需企業へと成長した。新しいコンセプトの兵器を研究開発するのが得意であり、世界中の国家機関や軍事組織と取引があると言われている。
くろりすファンド
新興の投資グループ。アルゴリスの株式を大量に購入し、筆頭株主になった。投資グループの代表は単なる名義貸しであり、表に出ない天才投資家がブレインとなって指図していると言われているが、経済通でも詳細を知るものがおらず、謎とされている。
雪野友樹
アルゴリスの以前のCEO。UGNの軍事研究部門の発展に大きく貢献した。
トーマス・ロックハート
アルゴリスの現在のCEO。アルゴリスのCEOに就任する以前は、エネルギー資源関係企業の幹部をつとめていた。有名ビジネススクール出身のエリート。
黒木徹
アルゴリスの研究員で、UGNとの共同研究プロジェクトに関わってきた期間が長い。経営陣が変わってから、社内で執拗な監視を受けていると感じている。
田井昌玖
アルゴリスの研究員で、UGNとの共同研究プロジェクトに関わってきた期間が長い。経営陣が変更になってからすぐに退職し、現在はハンドメイド作家をしているという。
高野詩織
アルゴリスの資材調達部門に送り込まれたフォルスハーツのスパイを名乗る人物だが、裏切りによりフォルスハーツの情報をUGNにも提供するといっている。目が鋭い。
大滝優
UGNのエージェント。アルゴリスとの共同研究業務に関わった期間が長く、アルゴリスに人脈をもっている。一部では、UGNの幹部候補に推す向きもあったが、アルゴリスとの提携断絶後は勢いを失っているようだ。
白根銀
5年前にアルゴリスから派遣されてきた技術職員だが、3年前からUGNが直接雇用している。アルゴリスとUGNの提携解消にも特段慌てた様子もなく、UGNの古参職員のような余裕を見せている。以前はアルゴリス供給装備のメンテナンスや共同研究業務を中心とした業務であったが、現在では建物のメンテナンスや、UGNエージェントの基礎トレーニング、安全講習などを主に担当している。他人に対して無関心であるが息の合う友人との付き合いは長く、休日にはアルゴリス時代の同僚とボードゲームで遊ぶことも多いという。

共同開発兵器

共同開発兵器は多岐にわたるが、今回フォルス・ハーツが狙っていた兵器は以下の戦車であった。

名称: 「レゲネイド・アタック・タンク」 UGNとアルゴリスが秘密裏に開発していた兵器の一つ。開発の終盤フェーズに差しかかった段階で共同開発関係が解消され、プロジェクトは放棄されたかのように見えた。しかし実際には、フォルスハーツの依頼を受け開発プロジェクトは続行され、フォルスハーツに兵器が供与される計画が進められていた。

レゲネイド・アタック・タンク
技能〈運転: 4輪〉
攻撃力18
行動0
装甲値30
HP30
全力移動80m 悪路走破可能

ハイブリッド・エネルギー・キャノンを装備する攻撃型戦車。搭乗者のレゲネイドウイルスの活性に共鳴する性質をもつ。戦車としての運動性能・突撃性能は普通。

レイヤード・シールド・システム
タイミング: 常時発動

搭乗者もしくは同乗者のうち、装甲値の高い方を選ぶ。その装甲値をヴィークルの装甲値に加算する。

車載武器 ハイブリッド・エネルギー・キャノン
種別射撃武器
技能〈RC〉/〈射撃〉 (どちらかを選択)
攻撃力+18
射程 1000m
対象 範囲

車載武器効果: 乗員のオーヴァード能力に応じたエネルギー弾や銃弾を発射可能。 この武器を使用した攻撃の射程を1000m・対象を範囲に変更する

オーバーヒート
タイミング: オートアクション

この武器を使用した攻撃が宣言されたとき、[1d10×10]℃を砲塔温度に加算する。加算した結果、砲塔温度が250℃以上になった場合、攻撃は命中せず、ヴィークルに10の貫通ダメージ。砲塔温度の初期値は20℃。

クールダウン
タイミング: メジャーアクション

砲塔温度を20℃に戻す。

~オープニングフェイズ~

シーン1-1

概要

新聞記事により、アルゴリス・テクノロジーズに関する背景情報がPCに提示される。

描写

鰓井蔵により、以下の一年前の新聞記事がプレイヤーキャラクターに提示される。

UGNとアルゴリス・テクノロジーズの提携解消 – 軍事力を巡る新たな展開
(世界経済新聞)

「軍需企業大手のアルゴリス・テクノロジーズは、オーヴァード治安維持組織UGNとの長年の業務提携を解消したと突如発表し、軍事産業業界やレゲネイドウイルス業界で注目が集まっている。この提携解消により、UGNの活動に重大な影響を及ぼす可能性があるとみられている。

UGNは、オーヴァード犯罪やテロリズムに対抗するためいくらかの軍事力を保有していることはよく知られているが、これには、最新のテクノロジーと軍需品が不可欠であり、アルゴリスが重要な戦略的パートナーであった。アルゴリスにとっては、軍事業界の中でも敬遠されがちなレゲネイドウイルス分野においても、リーディングカンパニーとなることを目指していると一貫して説明してきていたため、この急転換は驚きをもって迎えられた。

とはいえ、くろりすファンドによる株式取得の影響でアルゴリス経営陣が刷新されたため、何らかの大きな方針転換が行われることが投資家の間では予想されていた。アルゴリスの発表によれば、新たな経営方針の下、同社は別の市場へとシフトし、UGNとの共同プロジェクトを継続する意向はないとしている。しかしこの説明は曖昧で不透明なため、アルゴリスの内部の派閥争いの結果だという見方も少なくない。

いずれにせよ、UGNにとっては新たな軍事技術の調達に困難を極めると見られており、その対応策が急務となっている。UGNの関係者は、「我々の任務は社会の安全を守ることであり、テクノロジーの供給が途絶えることは致命的だ。」と述べたが、一方で他社と新しいパートナーシップを築くのは容易ではないとしている。この一件が軍事産業企業のパワーバランスに与える影響の予測は難しい。」

UGN幹部の鰓井蔵によると、最近フォルスハーツの動きが活発化し、アルゴリス内部の工作員との連絡が緊密になっているという。くろりすファンドや新経営陣もフォルスハーツの関与が強く疑われているが、何も知らない一般人も巻き込まれているように見え、どこまでが黒でどこまでが白なのか分からないという。今回は、フォルスハーツがアルゴリスの保有するオーヴァード関連軍事技術のうち特に何を狙っているのかを分析し、研究データや試作品を破壊するか、捕獲するミッションであるという。

工作資金の支給

活動資金として、財産ポイント12を(プレイヤーキャラクター全体で共有)支給する。

シーン1-2

概要

大滝優を紹介するが、注意喚起する。

内容

鰓井蔵によれば、アルゴリスとの共同研究に深く携わった大滝優は、フォルスハーツのスパイが監視している形跡があるという。また、大滝優がフォルスハーツのエージェントに脅されて協力者に仕立て上げられている可能性も捨てきれないという。こちらの動きが筒抜けになってはまずいので、大滝以外のアルゴリス関連エージェントをみつけて、慎重に行動してほしいという。

ミドルフェイズ

シーン2-1

概要

PCたちはUGN内部を調査し白根銀に出会う。

判定

〈情報: UGN〉で難易度: 4のロールを振ることで、白根銀をアルゴリスに関連するUGN職員として接触することが可能。達成できなかった場合は、UGNの建物を清掃している白根銀が偶然アルゴリスのジャージを着ていることで、白根銀がアルゴリス関係者であることがわかる。 また、〈情報: 噂話〉で難易度: 7のロールを振ることで、大滝優をUGNに幹部に推す派閥がUGN内部に存在することを知れる。一方で、軍事部門を偏重する大滝優に反感をもつ職員も少なくなく、中には悪い噂を流す者もいるという。ただし、アルゴリスとUGNとの提携中止により組織内での影響力が減少しており、最近は本人も他人との接触を避け、引きこもりがちであるという。

シーン2-2

概要

PCたちは白根銀との交渉し、アルゴリス社員や元社員とのコネクションを獲得する。

内容

白根銀は個人的な友人を危険にさらすことに躊躇する性格のため、慎重なアプローチが必要である。プレイヤーキャラクターは、以下の方法を選べる。

それぞれの戦術に基づいて、適切な場所を選ぶことで判定にボーナスが得られる。ボーナスが欲しい場合は、どのような店か描写すること。

プレイヤーが全く思いつかない場合は、選択肢を提示すること。

シーン2-3

概要

PCたちは、アルゴリスの社員や元社員と個人的な場で接触し、人脈を築く。プレイヤーによる適切なロールプレイやPCの交渉技能により、情報が得られる。

内容1 白根銀のトレーニング

潜入工作員向けのトレーニングを受講すると、ハッキング装置の調達方法について指南してくれる。実際に調達するためには、財産ポイント2が必要。最大で2つまで調達できる。

内容2 田井昌玖のワークショップ

PCは田井が主催するハンドメイドワークショップに参加。彼の退職後の新しい生活を尊重しつつ、過去のアルゴリスでのプロジェクトについて話を引き出そうとする。

レゲネイド・コントロールによる射撃能力を増幅させるエネルギー兵器の研究が最もエキサイティングであったという情報を得る。(交渉難易度:4, ボーナス:施設特定時達成値+3)

内容3 アルゴリス社員らによるボードゲーム大会

PCは白根銀の主催するボードゲームを遊ぶ集いに参加する。PC全員の参加を推奨する。ボードゲームの休憩中、雑談を利用し聞き込みに成功すれば潜入時にボーナスが得られる。

参加者は以下の通り。

藤島直樹
アルゴリスの人事部門の社員。詳しい理由は分からないものの、経営陣が変わってから社内の人材のパフォーマンスが落ちてきていると感じており、新しい経営陣に対して好意的ではない。(交渉難易度:5, ボーナス:親UGN派の社員を紹介し、施設内部の見学が可能)
花田昭
アルゴリスの社内システム部門のベテラン社員。新しい経営陣は社内システムに対しての投資を増やしており、好意的にみている。また、英語が得意であるため、トーマス・ロックハートによる社員向けのスピーチを良く理解し、エリートビジネスマンとしての能力に信頼を置いている。(交渉難易度:10, ボーナス:潜入・情報取得達成値+2)
中島あかね
アルゴリスの研究員で、最近新卒採用された。基礎的なデータ分析の業務に従事しているが、プロジェクトの全容についてはあまり理解していない。(交渉難易度:6, ボーナス:施設特定時ダイス数+2)
浅木守
アルゴリスのセキュリティ部門の社員。趣味はボルダリングと映画鑑賞。アルゴリス周辺の飲食店に詳しく、昼休みには他の社員を連れて食事に出かけている場面をよく見かける。(交渉難易度:7, ボーナス:探知達成値-2)

内容4 大滝優との会合

大滝優が脅されているという情報が、単なるUGN内部の派閥抗争による誤情報だと判断した場合、大滝優と接触することができる。ただし、監視されているというのは事実であるため、大滝はあまり会おうとしない。安全な交渉場所を設置すれば、エネルギー兵器の研究施設の心当たりを紹介してくれる。(交渉難易度:7, ボーナス:施設特定時達成値+5)

内容5 航空写真の分析

レゲネイドエネルギー兵器の研究開発施設を航空写真から推定する。それぞれ難易度5, 7, 9, 12, 15の判定を、技能〈知識: レゲネイド〉または〈知識: 機械工学〉により5回おこなう。判定に失敗した数+1の潜入候補先を得られる。

ロイスの獲得

このシーンの終了後、白根銀とロイスを結んでもよい。感情は、友情を推奨。

シーン2-4

概要

PCたちはアルゴリス・テクノロジーズの研究施設に潜入し、フォルスハーツと協力関係の手がかりを集める。

侵蝕値

このシーンでは搭乗時の侵蝕値の増加はないが、毎ラウンド終了時のクリンナッププロセスで侵蝕値を1増加させる。

正しい潜入先の決定

前シーンの内容5で確定した潜入候補の中から、正しい研究施設をGMがシークレットダイスをロールして一つ選ぶ。

選択肢1: ステルス潜入

以下のラウンド進行とする。

PC側アクション
メジャーアクション: 潜入
能力値【精神】により判定を行い、達成値が8以上で潜入に成功する。PC全員が潜入に成功した状態となる。
メジャーアクション: 情報取得
潜入後に実行可能。正しい施設に潜入した場合、能力値【精神】により判定を行い、達成値の情報ポイントを取得。正しくない施設に潜入した場合、そのことが分かり、1回だけ情報ポイントを1ポイント獲得する。
メジャーアクション: ハッキング装置の設置
潜入後に実行可能。ハッキング装置を設置する。装置が設置された研究施設にいる間、 敵の探知および情報障壁の判定ダイスが-1され、味方の情報取得および潜入の判定ダイスが+2される。また、設置された研究施設とはことなるアルゴリス研究施設にいる間も、味方の情報取得や潜入の判定ダイスが+1される。
メジャーアクション: 逃走
施設から退去する。
アルゴリス側アクション
メジャーアクション: 警戒
警戒状態に移行する。
メジャーアクション: 探知
対象: シーン
警戒状態移行後に実行可能。〈知覚〉により対決を行い、アルゴリス側が勝利した場合、対決に敗北したPCは以後逃走以外のアクションを実行できない。
メジャーアクション: 情報障壁
警戒状態移行後に実行可能。能力値【精神】により対決を行い、アルゴリス側が勝利した場合、PCらの潜入状態が解除される。PCらが情報取得やハッキング装置の設置を続けるためには、改めて潜入に成功しなければならない。
アルゴリスセキュリティ担当者パラメータ
〈知覚〉Lv.1, 【感覚】2, 【精神】3

選択肢2: 内通者の協力

UGNの協力者や、企業内で新経営陣に反感をもつものとの接触に成功すると、スムーズに施設内部を「見学」する手助けを得ることができる。見学者として認識されている間は、写真を撮影したり資料を漁ることはできない。

PC側アクション
メジャーアクション: 隠密状態への移行
〈知覚〉により判定、難易度6。メジャーアクションもしくは、エフェクトの効果により隠密状態に移行した場合、潜入に成功した状態で「ステルス潜入」のラウンド進行を開始する。
メジャーアクション: 観察
正しい施設に見学に来た場合、そのことが分かり、1回だけ情報ポイントを1ポイント獲得する。
メジャーアクション: 質問
正しい施設に見学に来た場合に1回のみ実行可能。〈交渉〉により対決を行い、勝利した場合、情報ポイントを3ポイント獲得する。
メジャーアクション: 見学終了
施設から退去する。
アルゴリス側アクション

見学者としてふるまっている間は、アルゴリス側はアクションを実行することができない。

結果

情報の入手
PCは獲得した情報ポイントを合計して10以上になった場合、フォルスハーツ関連企業との交渉記録や、資金の送金記録、オーヴァード向け兵器開発に関連する資材の購入記録、実験データの入手が完了する。また、研究員の誤操作に見せかけ、実験データを消去する。
空振り
PCは獲得した情報ポイントが10未満の場合、十分な情報を得られなかったものとする。このシーンは何回でもやり直せる。

休憩

このシーン終了時、ゲームマスターとプレイヤーが休憩をとることを推奨する。

シーン2-5

概要

アルゴリス内部の二重スパイに接触する。

スパイを信用した場合、フォルスハーツが海外で侵攻計画を建てていることが明らかになる。

展開

PCは自分宛ての郵便物に不審な封筒を発見する。「あなたがAに潜入したことを感知した。私はあなたの敵だろうか?物事には意外な側面がある。あなたの獲物04の12ページ5行目、24ページ8行目、17ページ3行目の最初。77ページ2行目、64ページ7行目の最後。私は32ページ。あなたに飲み物の納入をお願いしたい。」という謎めいたメッセージと、アルゴリスの取引業者の身分証、発注書が入っていた。

研究施設への潜入時に持ち帰った資料のなかに、ACeGUpW_04.pdfというファイルがあり、メッセージに指示された箇所には、組織、失望、裏切り、秘密、協力とある。また、32ページには、資材の調達について書かれている。

PCが納品に行くことを決断した場合、納入物資の購入とレンタカー費用として1を支払う。業者用入り口からアルゴリス社に入る。ゲートをくぐると、係員に駐車場のような場所に案内される。そこで待っていると、「受け取り君」という小型の自動運転車があらわれる。そこに飲み物を置くと、納品確認書が口から出て来るので受け取る。電光看板が光り、出口を案内される。帰らないでいると、係員がやってきて出口を案内される。ワーディングにより気絶させることは可能だが、建物は固く閉ざされており、侵入することはできない。係員は何も知らない。

納品確認書の裏には、「あなたとは対立したくないのでコンタクトした。信用してくれて感謝する。FH幹部は世界征服する魔王の発想。私が組織をやめるのは危険。FHエージェントは金銭的待遇もよく、内部情報にアクセスできる。目立たないよう、あなたへ秘密裏に情報を流したい。資源国E国の電撃制圧作戦。レゲネイド・アタック・タンク主力。明日か明後日に戦力輸送開始。」とある。

演出のポイント

プレイヤーが迷っている場合、これが罠であるか本当の申し出あるかどうかは、PCにとっても半々くらいでどちらか分からないと補足します。ただし、相手はこちらの居場所を把握していることが分かっているため、仮に罠であったとしても、放置という選択肢が最も無難な策とは限らないと補足します。

このシーンは、プレイヤーに拍子抜けを与えると同時に、メッセージによりミッションを早急に実行する動機や確信を与えるためのものである。アルゴリス社への納品の描写は事務的で淡泊に行い、納品確認書のメッセージの切迫性を強調する。

プレイヤーが接触のメッセージを無視する判断を行った場合や、接触した結果の情報の真偽を強く疑う場合、シーン2-4でPCの持ち帰ったデータをUGN情報官が分析したところ、フォルスハーツがレゲネイド・アタック・タンクを完成させ、詳細は不明ながら武装の主力として用いようとしていることが判明したとする。

購入

小型ドローン 財産ポイント5 一定の距離の範囲で監視をしたり、追跡をしたりできる。

シーン2-6

概要

レゲネイド・アタック・タンクの実物を確保するために、ふたたびアルゴリスに潜入。アルゴリスのセキュリティ担当者と戦闘する。

展開

PCたちはタンクの確保のため、企業内に再び潜入する。

シーン2-4と同様のラウンド進行を行う。ただし、情報収集は行わず、以下の追加要素がある。

ハッキング支援装置の効果持続
2-4で取り付けた支援装置は引き続き有効である。
防災通路への侵入
タンク保管庫へと通じる通路は高度なセキュリティが敷かれているが、研究施設への侵入後、もう一度侵入判定に成功することで、タンク保管庫へと通じる屋外通路である防災通路にアクセス可能。
タンク保管庫への侵入
100mの防災通路を移動後、もう一度侵入判定に成功することで、タンク保管庫へ侵入できる。保管庫に侵入した場合、保管庫の中が空であることを発見する。情報を集め、直前に港湾地区へ輸送されたことが分かる。
防災通路からのトラックの目撃
防災通路侵入後3ラウンド経過すると、大型トラックの列がアルゴリス研究施設の敷地から続々と出ていくところが見える。〈運転: 4輪〉の判定により、これらのトラックが特別丈夫につくられており、戦車を積載する強度を持っていることが分かる。ドローンを所持している場合は、追跡が可能。これを目撃して引き返すこともできるし、そのまま進むことも可能。
防災通路での戦闘
防災通路において判定に失敗すると、セキュリティ部門との戦闘が発生する。
防災通路出口での戦闘
防災通路出口に達すると、セキュリティ部門との戦闘が発生する。

戦闘は、2人組のパトロール隊との遭遇戦。ワーディングを発動すると、一人は倒れるが、一人は立っており、オーヴァードであることが分かる。PCは戦闘によりアルゴリス社員を戦闘不能状態にするか、防災通路から離脱すれば、建物外へ脱出に成功したことになる。

トラックの行き先について情報がない場合、周辺に聞き込みを行い、港湾方面へ向かったことが分かる。

シーン2-7

概要

税関からの情報提供を受けて、倉庫の調査を行う。

展開

港湾地区へタンクが輸送されたことから、PCたちは、税関につとめるUGNエージェントに対し、不審な輸出貨物がないかどうか調査を依頼。密輸物資が保管されている倉庫に移動。

ドローンによる追跡に成功した場合は、当該倉庫がトラックの向かった先と符合するという描写を行う。

PCたちが倉庫に到着し実況見分すると、ニセブランド品などが詰められたコンテナを発見。今回の事件とは関係ないようだ。

シーン2-8

概要

港湾食堂で情報を収集し、専用船を用いた密輸の線が浮上する。埠頭や港の航路を監視・調査。不審船を離れた場所から発見。現場に急行する。

港湾食堂

お腹が空いたため、近くにある港湾労働者組合の食堂を利用することにした。メニューにはカツカレー、ラーメン、コロッケ定食、生姜焼き定食などがあるが、どれも量が多く安い。物流倉庫で働いていると思われる人でにぎわっている。〈知覚〉難易度6で5回判定し、以下の情報を取得可能。

証言1
倉庫にゴミが運び込まれた。リサイクル資源の輸出は珍しくはないが、ゴミにしては荷姿が大きくかっちりと縛られており、警備が厳重で不審であった。
証言2
ゴミが倉庫から運び出されたが、見慣れないトラックが雑な運転で急いで運んでいた。不法投棄だろうか。
証言3
最近、双眼鏡を持った人が海岸を見渡しながら考え込み、地図に書き込みをしていた。密輸業者だろうか、それともスパイだろうか。
証言4
最近、密輸船が検挙された。密輸船はしばしば港湾の交通ルールを守らないため、目立つ存在だ。
証言5
旧埠頭は使われていない埠頭で、一応フェンスで封鎖されているが、封鎖が甘いため、釣り人や不法投棄の業者がしばしば侵入する。密輸にも使われるとうわさされている。
乗り物のレンタル
港湾組合ショップでモーターボート(財産ポイント 2)や普通自動車(財産ポイント 1)をレンタル可能。交渉により安くするか、無料で借りることが可能。

埠頭の調査

以下の地点に移動して調査できる。

展望台
港湾を見下ろす丘。港湾に入ってくる船舶を監視できる。
旧埠頭1~4
いまは使われていない埠頭。
船溜まり1~2
小型の船を止めておく場所。あまり人が出入りしない。
化学工場1~2
大型の船舶が接岸可能な岸壁を備える。
リサイクル施設1~5
ゴミを受け入れ保管し、リサイクルする施設。分別や破砕をメインとする小規模な施設から、高温高圧で再生させる大規模な施設までさまざまな施設が存在する。
コンテナ埠頭1~3
大型の船舶が接岸可能。大型クレーンによりコンテナが組付けられる。24時間稼働していて、正規のコンテナ船以外近寄れそうにない。

その他、船が接岸可能な岸壁は多数存在する。

クライマックスフェイズ

シーン3

概要

PCたちはタンクの密輸現場に急行し、水際で輸出を阻止しようとする。タンクをハッキングすることで、戦車を利用した大規模な戦闘が勃発する。

マップ

戦闘の展開

FH武装輸送船
技能〈運転: 船舶〉
攻撃力40
行動0
装甲値 (外部)60
抗貫通装甲 (外部)30
装甲値 (内部)10
HPプレイヤー数×50程度
全力移動20m 海上のみ
戦闘移動10m 海上のみ

車両を直接船の中に格納できるランプウェイを備える輸送船。船の内部から攻撃することで装甲を大幅に低減できる。

外部からの攻撃に対して、抗貫通性装甲をもつ。抗貫通性装甲は、装甲貫通を無視する。

船載武器 簡易ミサイルランチャー
種別射撃武器
技能〈射撃〉
攻撃力+15
命中+5
射程1000m
対象範囲×3

着弾地点で爆発を起こす。簡易ホーミングシステムを搭載しているため、命中力が高い。エフェクトを一つのみ組み合わせることができる。1アクションで3エンゲージ同時に攻撃できるが、ラウンドに1回しかつかえない。

船上の対象に対して攻撃不可。

船載武器 レゲネイド・フォーカルレンズ
種別射撃武器
技能〈RC〉
攻撃力+3
命中+5
射程視界
対象単体

レゲネイドエネルギーを収束させ命中力と威力を高める。オーヴァードの能力を補助し高める武装。使用するには、攻撃者が至近距離に立つ必要がある。

甲板左舷、甲板右舷、ブリッジにそれぞれ一基づつ設置されている。

同一エンゲージにいる対象に攻撃不可。

モーターボート
技能〈運転: 船舶〉
攻撃力20
行動0
装甲値 (外部)8
装甲値 (内部)0
HP30
全力移動50m 海上のみ
戦闘移動25m 海上のみ

軽くて速い小型の船舶。体当たり攻撃はお勧めしない。

荷役用クレーン
技能〈運転: クレーン〉
攻撃力5
行動0
装甲値 0
HP30
全力移動10m 鉛直方向 + 10m水平移動
戦闘移動5m 鉛直方向 + 5m水平移動

クレーン自体は移動せず、吊るされたキャラクター/アイテム/ヴィークルを移動させる。岸壁に設置されている。吊るす操作はマイナーアクションで実施可能。

エンディングフェイズ

フォルスハーツの計画阻止

PCたちが「エネルギーキャノン・タンク」のデータを奪い、試作品を破壊したことで、フォルスハーツの侵攻計画を阻止に成功する。UGN本部に報告を行い、ミッション成功に対するねぎらいの言葉がかけられる。最も重要な任務は成功といえるものの、フォルスハーツの手に他の技術の一部は手に落ちたとみられる。

高野詩織の運命

今回のミッションでは、利用した場合、彼女はフォルスハーツの情報提供者としてUGNに協力したが、今後はどうなるかわからない。PCの今後において、厄介な人物となると考えられる。

乗っ取りの黒幕

くろりすファンドの正体については、あまり知ることができなかった。彼らがフォルスハーツの手先であるとしたら、資本力や影響力は脅威である。

アフタープレイ

経験点

プレイヤーは、以下のいずれかの経験点を獲得できる。